
メープルの樹液は春の足音が聞こえ始めたころ、厳しい寒さから開放されるように流れ始めます。
このメープルシロップの素となる樹液「サップ」は、昼と夜の温度差が0度を挟んで5度くらいになる、3月〜4月の時期にだけ採取できます。
夏の間、葉で作られ根に蓄えられた澱粉が酵素の働きで糖分に変化しこの時期一斉に枝に送られ新芽のエネルギーとなるのです。
この樹木達にとって大切なエネルギーとなる樹液を私達はもらうのです。

樹液の採取には木に穴を開ける事から始まりますが、木の成長にとって大切な樹液をもらうため、樹液の採取には厳しい基準が設けられています。樹齢40年以上、または、直径25センチ以上でないと樹液を採取することは出来ません。また、一つの木で、穴を開けることが出来るのは3ヶ所までと決められています。
生産者の中には今でも昔ながらの方法で、穴を開けたところにバケツを下げて採取している生産者もいますが、たいていのメープルシロップ生産者は、穴を開けたところに栓をはめ、すべての木にチューブを取り付け樹液がチューブを流れるようにしています。そしてチューブから、シュガーハウスと呼ばれる煮詰め小屋の中にある大きなタンクに集められます。
こうして集められたメープルシロップの素となる樹液の中にはわずか2〜4%の糖分しか含まれていません。このほとんど水のようにさらさらとした樹液をシロップにするには煮詰めて濃縮させなくてはなりません。
1リットルのシロップを作るのに約40リットルの樹液が必要とされています。

採取された樹液は少しでも早く煮詰めることにより、より高品質なシロップが出来上がります。
3%前後の糖分しかない透明な樹液が色づきはじめるまでにはかなりの時間がかかります。刻々と変わる濃度の変化と火加減に気を配っての昼夜を徹しての作業です。
樹液は煮つめて水分を蒸発させることによって濃縮され、メープルシロップの独特の風味や香り、琥珀色の色合いが得られるのです。
濃縮され、あめ色になったメープルシロップは、最後にフエルトで出来た
フィルターを通し不純物を取り除き、完成します。


100%ピュアなメープルシロップは自然の恵みが私達にくれた貴重な琥珀色の
贈り物です。
寒さが緩み、樹木の芽がふくらみ始める頃、メープルの採取は終わります。
今年採れた新しいメープルシロップが並ぶ頃、カナダは長い冬から目覚めます。
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